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障害学会第12回大会(2015年度)報告要旨


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山田 裕一 (やまだ ゆういち) 立命館大学生存学研究センター

■報告題目

発達障害当事者会主体研修における実践と課題──依頼者の求めるものとの狭間の中で

■報告キーワード

■報告要旨

 2014年障害学会において「研修・交流イベント発達障害当事者会のリアル―闇がなければ光は見えない―の実践」と題し、研修と交流そして当事者の表現を発信することを意識した、発達障害当事者会主催のイベント実践とその課題について報告を行い、当事者が参画し、かつ多様な視点を参加者と共有する研修・交流機会の必要性と課題について問題提起を行った。
 その後、障害者福祉関係を始め、教育・司法・医療を提供している関係者からなる団体や、障害当事者の家族会等から発達障害当事者会に対して研修の依頼があり、実施している。研修実施の際には、以下のような要素を含む研修をお願いしている。
 1. サクセスストーリーに限らない事例を提示すること 2. 特定の発達障害当事者のイメージが固定化されないように、境遇や目指す生活スタイルが異なる複数の当事者の語りを伝える機会を作る事 3. 一方的に伝えるのではなく、ワークショップやグループワーク等の参加者同士の思いや意見の交換を行う事 4. 支援者や専門家視点のみで語られる当事者像に異議申立をする機会を設けること。
 しかし、研修を実際に行う際には、依頼団体が想定している参加者ニーズによって規定されてしまう他、依頼団体の指向性、イデオロギー、目指す方向性等を踏まえた研修内容が暗黙のうちに求められる一方、発達障害当事者が依頼団体の思いを読み取れないことや、過剰に気にかけてしまう場合がある。
 本報告では、研修を実施する中で浮かび上がった、「当事者会主体の研修が伝えるべきものは何か」「誰がどのような形で伝えることが適切か」についての課題と実践的展望について報告したいと考える。
 なお、倫理的配慮として、公開情報以外のものは匿名性を保つように、報告に支障がない範囲でデータの加工等を行っている。



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障害学会第12回大会(2015年度)