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障害学会第11回大会(2014年度)発表要旨


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真下 弥生 (ましも やよい) 大学非常勤講師

■報告題目

南太平洋地域における障害者スポーツ:障害者の文化活動と「支援」

■報告キーワード

障害者スポーツ / 南太平洋

■報告要旨

 途上国における障害者支援において、文化活動の占めるプレセンスは大きくないが、スポーツ分野は、パラリンピックに代表される大規模国際大会等の影響と相俟って、近年注目が集まっている。南太平洋地域においては、2008年の北京パラリンピックで、パプアニューギニア代表が200メートル走で銀メダルを、2012年ロンドン大会では、フィジー代表が棒高跳びで金メダルを獲得し、どちらも同地域にとって、オリンピックも含めた初のメダル獲得となり、障害者コミュニティの外からも話題を集めた。
 本発表では、南太平洋地域における障害者スポーツの開発・実践を、主にフィジーを例にとって検討する。特徴として、国際大会で競技に臨むエリートクラスの選手の養成のみならず、日常生活の中でスポーツを楽しむ草の根レベルの根強い普及活動や、全国レベルの大会に障害者カテゴリーを設け、障害のない選手と同時に競技を行うなど、現地社会で障害者の姿が可視化され、インクルーシブに共働することを目的とした実践がなされていることが注目される。現地メディアでも、障害者スポーツの露出が増え、新聞では社会欄や生活欄ではなく、スポーツ欄で取り上げられるという変化が生じている。
 本発表は、将来的に現地踏査に赴くことを前提とした試論として公開するものであるが、障害学の実践者の観点から、評価と助言を得ることを期待している。



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障害学会第11回大会(2014年度)